1963 年 1963 巻 100 号 p. 9-14
豪雨による山地の崩壊が地質,地形および雨量の間にどのような特性をもっかを天竜川上流域の崩壊現地調査によって考察したもので,定量的な特性をうるため崩壊標本約500ヵ所の調査資料から,1ヵ所あたりの崩壊規模と降雨量との間には相関が認められないが,崩壊密度は各地質とも降雨量とある相関をもち,ことに崩壊の直接誘因となる集中El雨量に対してはいっそう明りょうな相関をもっことを見出した。
これから地質別に雨量と崩壊流出土砂量との関係を考察し,雨量に対する流出土砂量を概算的に推定しうるのではなかろうかということを論じたものである。なお,この一部は昭和38年度年次講演会で発表したところと重複している。