1991 年 1991 巻 435 号 p. 145-154
シドニー・ハーバー・トンネルは, ハーバー・ブリッジの交通混雑を解消するために, 沈埋工法を用いて建設されている. 本工事では, トンネル建設地周辺に適当な用地が無く, シドニーの南約70kmのケンペラ港にドライドックを設け, ここで沈埋函を製作し, シドニーまで外洋を曳航する方法を用いた. 矩形断面ドライドック方式の沈埋函では, このような長距離の外洋曳航作業は初の試みであった. 本報告では, 外洋曳航時の沈埋函の挙動に関する検討と曳航作業の詳細を述べている.