1993 年 1993 巻 464 号 p. 149-160
本論文は, 道路社会資本の管理のための, 道路機能を確率的に表現する新しいモデルシステムに関するものである. モデルシステムは, 1) 劣化過程と2) 道路当局の維持管理行動を表現する2つのサブモデルを有している. 両サブモデルは, 破壊時間モデルの考え方に基づくもので, 説明変数は, 舗装の補修歴, 重量トラック交通量, 舗装状態, 新設又は補修後の年数から成っている. 将来の道路機能は, 以上のモデルより得られる劣化と補修の確率とコホートサバイバルの考え方に基づいて予測される. 予算カットのシナリオと補修優先基準 (交通量や舗装年令など) の組合わせごとに, 将来のネットワーク上各区間での舗装状態の分布, ネットワークの信頼性, および必要期待補修費がどのように変わるかの感度予測が示される.