1993 年 1993 巻 470 号 p. 57-66
本研究は交通手段選択行動の時間依存性・状態依存性などを中心とする動的特性の分析を行ったものである. まず, 交通行動の動的特性に関する従来の研究を調査し, それらの取り扱う行動メカニズムを比較する. そして, 名古屋市と豊田市を結ぶ地下鉄と郊外鉄道沿線での10年間隔での交通実態調査に基づいて, 交通手段選択行動が, 鉄道開通という交通サービス変化時からの時間の経過に伴い, どのような行動決定プロセスをたどるかということを明らかにし, これを明示的に表現する非集計モデルの構築を試み, その適合性の検討により, モデルの有用性を明らかにしている.