抄録
分布型降雨流出モデリングにおける河道網内の洪水追跡に関し, 最適追跡順番を示す. 本研究では近年広く使われるようになった擬河道網のようなツリー構造の河道網を対象とし, その論理構造を上流下流関係を記述するツリー構造と支川本川関係を記述する Horton-Strahler 位数で表現することにより, 上流から下流へという基本的な追跡ルールに従い, Horton-Strahler 位数ωの河道網の洪水追跡に必要かつ十分なバッファ数がω個であることを理論的に示すと共に, 計算機によって自動的に決定する方法を得る.