1995 年 1995 巻 511 号 p. 57-67
不連続岩盤のせん断特性を支配する不連続面のラフネスの定量的測定法を開発した. 本研究では, ラフネスを波形と考えた. すなわち, 波形解析手法を応用するため, 振幅~時間関係を振幅~距離 (せん断面長さ) の関係に適用し, 最大エントロピー法によりスペクトル解析を行った. その結果, ラフネスを定量的に示す量として, パワースペクトルモーメント (Ms) 値を定義した. この方法は, データ数に制限されず高分解能の結果が得られるので, 実際に採取される自然のラフネスへの適用が便利に行え, 新しく開発した測定装置により, Ms値が有効であることを示した.