1996 年 1996 巻 534 号 p. 19-30
港湾工事の測量や海洋観測における海上測位には, 種々の従来測量技術が適用されているが, その精度, 操作性, 適用範囲等に関して不十分な部分があり, 今後の改善が求められている.
筆者らは, GPSを応用したリアルタイム処理方式海上測位システムを開発し, これまでに基本的な性能調査実験を行ってきた. 本研究ではそのシステムを改良して実用プロトタイプモデルを開発し, 関門海峡地区においてその基本性能, 耐久性, 信頼性等を検証するために現地実用性検証実験を実施した.
その結果, 本システムの測位精度, オンザフライ初期化性能, キネマティック測位可能範囲, 電波障害要因, 測位モードの切り替わり性能等が明らかになり, その実海域への適用性が確認された.