抄録
軟弱粘性土地盤の圧密促進に利用するためのプラスチックボードドレーン (PD) は, 従来断面積が小さいことから長尺物ドレーンについては適用限界が存在すると指摘され, その改良深度としては最大20m程度に抑えられてきたが, 近年改良深度は増加する傾向にある. そこで今回, 中~大深度の地盤改良を目的とし, ドレーン自体の剛性を上げた十字型ドレーンを考案した. このドレーンは通常の板状PDを4枚用いて十字型を形成しており, 十字型を形成することによって間隙水圧の消散過程は, 円柱ドレーンと同じように放射状になる. 本研究では, 三軸K0圧密試験機を用いて十字型ドレーンの等価径を評価し, 板状ドレーンのそれと比較検討した. また, 流線長の考え方に基づき等価径の簡易的算定法を提案した.