抄録
正規圧密粘土の圧密特性に及ぼす温度の影響を評価するために, 二次圧密時の温度を定量的に変化させる圧密試験を行った. 室温より高温に変化した場合, 粘土は温度の上昇とともに体積の収縮が生ずるが温度が一定 (定常) になった場合, 圧密速度 (二次圧密係数) は温度によらず一定となることが明らかになった. また, 室温から高温にした場合の温度による体積変化量は圧密圧力によらず, 温度差に比例することが明らかになった. 一方, 温度を高温より室温に戻すことにより見かけ上過圧密土の挙動を示し, その擬似先行圧密圧力は温度差に比例することが明らかになった. 以上の実験結果より, 二次圧密時に温度効果を受けた正規圧密粘土の体積変化量および擬似先行圧密圧力を予測する方法を提案した.