1997 年 1997 巻 557 号 p. 55-64
硬化コンクリート中の気泡相は, コンクリートの耐凍害性に対して支配的に影響する. また, 最近の画像解析手法の進歩により, 切断面に現れる気泡径の分布の測定が可能になっている. そこで, 本論文では, 多数の球を平面で切断したときに生じる円の半径の分布が, もとの球の半径の分布と確率論的に関係づけられていることに着眼し, 確率変数を離散変数に変換することによって, コンクリートの切断面に現れた気泡円の半径の度数分布から, 気泡半径の度数分布と単位体積当たりの気泡数を求める具体的な方法を案出した. この方法の正当性は, 数値計算と実験によって確かめられた.
また, 実用に際して精度上必要な気泡円の測定数と測定面積をχ2検定の結果に基づいて提示した.