1997 年 1997 巻 558 号 p. 129-138
河川水域等の水質環境が多面的になるとともに, 水質指標も多様化している. このような状況の中で多くの水質指標, 特に理化学的水質指標と生物学的水質指標の相互から水質総合指標を導出することにより, 広範囲の水域の水質環境の比較評価を行うことが可能となる. 本稿では, まず理化学的水質指標から生物学的水質階級の推定を試みた. ついで, これら両指標を考慮した水質総合指標, その利用法について提案する. さらに, これらのことから, 理化学的水質指標のみを用いた生物学的水質階級を考慮した水質総合指標を提示する. 以上の指標等について, いくつかの地域の資料を用いて検討した.