土木学会論文集
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水質・水温を利用した上大須ダム初期湛水時地下水流動調査
塩崎 功村上 晃生谷口 博幸川上 康博今井 久
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1997 年 1997 巻 579 号 p. 177-189

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抄録
上大須ダム基礎岩盤の透水性を評価するために, 初期湛水時に漏水の水質・水温調査を実施した. イオン濃度の時間変化から推定される漏水観測堰や監査廊内湧水への調整池水の流下時間は2~20ケ月となった. イオン濃度の時間変化, および水温の実測データと熱の移流拡散解析から求めた河床漏水への調整池水の流下時間は, いずれも4~9ケ月であり, 設計値を入力データとした非定常浸透流解析により計算された河床漏水への流下時間2~10ケ月にほぼ一致した. 本調査の結果, 地下水の温度変化から流動速度を推定する方法は, 計測が簡便であり, 漏水の評価手法のひとつとして活用できることが示された.
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