土木学会論文集
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コンクリートのかぶりを考慮した分極抵抗および分極電流の分布について
荒木 弘祐関 博金子 雄一
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1998 年 1998 巻 592 号 p. 53-61

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抄録

コンクリート構造物中の鉄筋の腐食診断方法として, 従来から非破壊による電気化学的方法が適用されている. この方法の中で分極抵抗法は, 量的, 質的な情報を得られる方法であるが, 実用には未だに課題が残されている. その一つは, 鉄筋と対極間にかぶりコンクリートが存在するため, 電極からの電流が分散し, 鉄筋の測定個所が不明となり得られる情報の評価が難しいことにある. 電流の分散の補正方法は, 様々な研究者によって研究されているが, 明確となっていないのが現状である. そこで本論文においては, 腐食部と健全部を有するコンクリート中の鉄筋の分極抵抗を測定し, また鉄筋に流入するマクロセル電流や各鉄筋の独立電位を測定し, 分極抵抗の分布や電流の分散の挙動を実験的・理論的に明らかにすることを目的とした.

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