抄録
著者らが独自に開発した直接時間積分法に基づいて構成した, 非圧縮条件下での Navier-Stokes 方程式解法および移流拡散方程式解法について報告するものである. N-S方程式解法は, 流速と圧力を変数として, 運動方程式と連続条件式を連立させて解く陰解法であるが, 積分時間増分を一定に保つ限り, 一度係数マトリックスを作成し, 三角分解を行えば, 後の計算は, 前進縮約, 後退代入計算だけで実行することができる. 相当に移流項が卓越する移流拡散問題に対しても, 安定に, 信頼度の高い解を求めることが可能である. 円柱の背後に発生する, 渦列を伴う流れ場を対象とする解析結果を, 可視化された実現象と比較して, 解析過程の信頼度を検証している.
