抄録
近年, 脱塩工法や再アルカリ化工法に代表される電気化学的手法を用いた鉄筋コンクリート構造物の補修工法が注目を集めている. これらは通電によってコンクリート中の各種イオンを移動させる電気化学的な補修工法と言える. しかし, コンクリート表面のひび割れ等の補修に対して電気化学的手法を用いた例は検討がされていない. そこで, 本研究では海中でひび割れの閉塞や表面改質を目的として用いられている電気化学的手法の一つである電着を改良し, 陸上の鉄筋コンクリート構造物に生じたひび割れの閉塞や表面改質を行うことを目的とし, 一旦低下したコンクリート部材の性能の電着による回復程度および電着適用の劣化抑制について検討を行った.