抄録
本研究では, 個別ブロックからなる石積土木構造物の静・的および動的安定性について, 有限要素法に基づく接触要素を取り入れた個別有限要素法を提案し, その定式化を行った. 個別有限要素法では, 石積土木構造物を個別ブロックの集合体として扱い, それぞれの個別ブロックをソリッド要素としてモデル化する. さらに, ブロック間のすべりや分離などの相互作用については, ジョイント要素, または, 境界要素より優れている接触要素を用いてモデル化した. 本文では, 斜面上に存在するブロックやアーチ, ピラミッド, 壁, 塔などの石積構造物について解析し, さらに, 本手法の妥当性を検討するために, 他の手法との比較を行った. その結果, 本手法がブロック状の集合体の解析の妥当性を確かめた.