1999 年 1999 巻 626 号 p. 107-119
この論文は小地震から発生する加速度パルスに注目し, その震源モデルを考察するものである. まず, パルス波を生成する小地震の震源過程に連鎖則が適用できるという仮説に基づき, 小断層の震源時間関数のモデルを考察する. 次に, この震源時間関数を運動学的震源モデルに適用し, 震源距離によるパルス波形の変化や表層地盤によるパルス波形の乱れを調べる. 得られた知見を参照して硬質地盤のパルス波から小断層の震源時間関数のパラメターを推定する関係式を導く. 最後に, 日本とカリフォルニアで記録された2つの小地震によるパルス波のシミュレーションを行い, 計算手法の適用性を考察する.