抄録
鋼製橋脚の耐震性を検討するため, 鋼製橋脚モデルの静的繰返し載荷実験は, 建設省土木研究所において1990年頃より行われていた. 1995年1月に発生した阪神淡路大震災により, 鋼製橋脚に多くの被害が見られたことから, その後, 多くの研究機関において鋼製橋脚の研究が行われている. 最近では, 静的繰返し載荷試験の他に準静的載荷実験も行われており, 今後は, それらの実験結果をどのように設計へ反映するかが重要である. その意味でもコンクリートを充填しない鋼製橋脚の最大耐力や塑性率を推定することは重要であり, これまでもその推定方法は提案されている. ここでは, 既往の矩形断面を有する鋼製橋脚の実験結果を整理し, その最大耐力を推定するパラメータを新たに提案することを目的としている.