抄録
北海道に降雪をもたらす冷気流は, 浮力の不連続面にみられるように, 塩水や泥水の水域への浸入と非常によく似た振る舞いをすることから冷気密度流と呼ばれるべきものである. 雪雲は冷気密度流のフロントに発生することから, フロントの挙動を解析することが必要とされる. そこで, LESモデルを用いた水平面上を張り出すプルームの計算を行った. その結果, 後続部における乱流熱フラックス, 連行係数において, よい再現性が得られた. 局所リチャードソン数と渦粘性係数の関係は, 3次元性の現れにより二価性を持つことが分かった. フロント前面の淀み域には, フロントスケールのロール状の渦が卓越して発生していた. 後続部厚さに比ベフロントスケールや淀み域距離は, 非常に大きな値を持つことが分かった.