土木学会論文集
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農家の行動を考慮した都市圏経済モデルによる農産物自由化の分析
宅間 文夫安藤 朝夫
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1999 年 1999 巻 632 号 p. 51-62

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抄録
ウルグアイ・ラウンドの結果, 日本政府は農業の段階的な自由貿易化に合意した. この合意は農業の産業構造を変化させ, 土地利用変化を引き起こすことが予想される. 従来の Alonso 型モデルでの農地の役割は宅地供給に限定されており, 都市に対する食料供給基地としての役割が捨象されてきた. 本稿では, 農家の生産・消費行動を明示的に考慮し, 工業財・農産物が圏外と貿易されるという前提の下に Alonso 型モデルを都市部と農村部からなる都市圏に拡張して定式化した. その結果, 自由貿易化の土地利用に与える影響を分析できる. たとえば、(i) 農業就業率の低下をもたらし, (ii) 農地の宅地転用を進める, (iii) 都市圏のGDPは増加・減少の何れも生じ得る, ことが示される.
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