土木学会論文集
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食用油を添加した高温接触酸化処理におけるFISH法・キノンプロファイル法・PCR-DGGE法を用いた微生物群集の解析
栗栖 太佐藤 弘泰味埜 俊松尾 友矩
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1999 年 1999 巻 636 号 p. 23-33

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抄録

食用油を添加した高濃度有機性廃水の高温接触酸化処理における微生物群集を, FISH法・キノンプロファイル法・PCR-DGGE法・DGGEバンドの塩基配列解読により解析した. 運転初期の中温状態では, プロテオバクテリアが優占であった. それに対し運転後半の高温状態では, グラム陽性低GC群の細菌が優占となった. また同じ高温でも, 分解率が高い時と油分が蓄積して分解率が低くなった時とでは, 群集の構成種は大きく異なった. 分解率が高いときに存在した微生物種より, 良好な処理を行うための細菌種として B. thermocloacae や, 好熱性 Bacillus の類縁種が候補としてあげられることがわかった. 上述4種類の群集解析手法を組み合わせることは, 群集を詳しく見ていく上で効果的で確実性のある方法であるといえる.

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