土木学会論文集
Online ISSN : 1882-7187
Print ISSN : 0289-7806
ISSN-L : 0289-7806
中海における気象変化に伴う流れと貧酸素水塊の挙動
福岡 捷二黒川 岳司日比野 忠史鈴木 篤中村 剛上原 浩
著者情報
ジャーナル フリー

1999 年 1999 巻 636 号 p. 61-79

詳細
抄録
汽水湖では強固な密度躍層が形成され, 底層水が貧酸素化しやすい. 貧酸素水塊の消長は気象や流れに密接に関係している. そこで本研究では, 代表的な汽水湖である中海において気象, 流れ, 水質に関する詳細な現地観測を行い, 吹送流や気圧変化に伴う流れの特徴を整理し, それらが貧酸素水塊の時間的・空間的な分布特性にどのように影響を与えるかを検討し, 以下の事項を明らかにした. (1) 貧酸素状態の程度は外海水の流入や風による上下層の混合によって緩和されるが, 低気圧接近に伴う外海水流入が最も大きな影響を与える. (2) 気象平穏時には, 米子湾奥部では半島や島の影響で湖全体とは異なる界面振動が生じ, 貧酸素水塊はこれに伴う流れによって移動する. (3) 湾奥における水中でのデトリタスの分解による酸素消費量は底泥による消費量と同程度である.
著者関連情報
© 社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top