1999 年 1999 巻 638 号 p. 251-258
スチールグリッド補強材の引抜き試験を行い, スチールグリッド補強土の補強メカニズムと横筋で発揮される支圧抵抗力の発現特性について調べた. その結果, スチールグリッド補強土の引抜き抵抗力の大部分は支圧抵抗力であり, 横筋間隔200mm以上であれば支圧抵抗力は各横筋 (直径6.0mm) に均等に作用すること, つまり横筋本数に比例して増加することがわかった. これは, 補強材縦筋の伸張性がほとんどなく, 引抜き時の各横筋の変位量がほぼ等しいためである. さらに, 支持力理論に基づいた支圧抵抗力評価式を提案した. そして, 種々の試料土を用いた引抜き試験結果と比較した結果, 試験結果とほぼ一致し, 提案式の適用性が確認された.