2000 年 2000 巻 644 号 p. 67-86
本研究は, 従来より著者らが開発してきた「コンクリート橋診断ニューロ・ファジィエキスパートシステム」の推論機構を各ニューロンに意味を持たせた階層構造ニューラルネットワークで新たに再構築し, さらに, この推論機構に誤差逆伝播法を応用することで, 体系的な学習を可能としたものである. なお, システムによる診断結果の信頼性を向上させるために行う推論機構の学習で利用する教師データは, 専門技術者による実橋梁の目視点検および耐用性診断にもとづいて作成した. また, 本診断システムを実橋梁の耐用性診断に適用し, 専門技術者による診断結果と比較することで, 新たに構築した推論機構の学習能力の検証を行った.