抄録
本研究では, 3次元地震動に対する構造物の安全性を議論する上で不可欠な繰り返し弾塑性挙動に及ぼす水平2方向載荷の影響に関して実験的な検討を行った. 対象構造物としては, 鋼製中空長方形断面橋脚柱を取り上げ, 上部構造の自重を考慮した鉛直力と水平地震動を想定した水平2方向力を橋脚柱頭に作用させ, その強度と変形能を明らかにした. なお, 水平力は, 水平2方向に変位制御で与え, 1方向変位履歴, 2方向比例変位履歴, 4種類の非比例変位履歴を考慮した. 実験結果から, 非比例変位履歴により, 剛性, 強度および変形能が著しく低減することが明らかになった.