土木学会論文集
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長期連続観測に基づく東京湾・鹿島灘・霞ヶ浦の表層水温年間変動特性の比較解析
八木 宏灘岡 和夫内山 雄介日向 博文
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2000 年 2000 巻 656 号 p. 239-254

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抄録
典型的な閉鎖性水域である東京湾と開放性沿岸域である鹿島灘の年間表層水温変動過程の大局的な特徴を定量的に把握するために, 閉鎖性がより強くかつほぼ同様な気象条件下にある霞ヶ浦も含めた形での長期連続観測データに基づく比較解析を行った. その結果, 1) 鹿島灘海岸域では移流による熱輸送が年間を通して水温変動に寄与するのに対し, 霞ヶ浦では大気側との熱交換によって水温変動がほぼ規定されていること, 2) 夏季の東京湾湾奥部においては, 7日以上の時間スケールでは水表面を通した大気側からの熱輸送によって表層混合層内の水温変動が支配されており, 夏季の表層水温が霞ヶ浦のそれとほぼ同じになること, 3) 冬季では, 湾口を通した外洋からの熱輸送が湾内の水温変動に大きく寄与すること, などが明らかになった.
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