本論文は, 地下軌道区間での列車走行により発生される地盤振動の軽減対策に関し, バラストマットと弾性枕木を用いる対策法の有効性について, 現地振動調査を主体として検討したものである. 対象地点の地下軌道区間および地表上の素地軌道区間において, 列車走行により発生される振動を地表面および地下軌道部の床, 壁, 柱, 軌道等において測定し, 各部位での発生振動値, スペクトル特性と振動減衰特性等について述べた. これらの結果より, 振動加速度レベル (VAL) での振動軽減効果を把握するとともに, バラストマットを用いた振動軽減対策法の有効性が, インサーションロス理論を用いて推定できることを示した.