抄録
軟弱地盤上に造られた道路では, 不等沈下のために橋梁やボックスカルバートと周辺道路面との境界で段差を生じ車両走行の妨げとなることが少なくない. このような段差は車両走行の快適性を損い, 振動や騒音の発生源にもなるので, アスコンによるオーバーレイ補修が施される. 本論文は, 不等沈下を低減するための10種類の路床路盤工法に関する現場道路試験の結果について述べる. 次に, 初期建設費と段差補修費を加算した総建設費で性能評価を行うと, 不等沈下を低減させる工法は従来工法よりも経済的であることを示す. これらの検討結果に基づいて, 軟弱地盤上に設ける道路では路床路盤工に軽量化・強化・補強などの不等沈下対策を取り入れることが段差補修費を含めた総建設費の観点からは合理的であることを明らかにする.