2000 年 2000 巻 660 号 p. 89-99
パラメータの分散や, 誤差項の異質性などを扱うことのできる Mixed Logit モデルは極めて柔軟な構造を持った汎用性が高いモデルと考えられる. しかしながら, その交通計画分野の適用例は限られており, かつ従来手法との比較検討も不十分な段階にある. 本研究では, Mixed Logit モデルの特性を, (1) 選択肢間誤差構造, (1) 誤差の個人異質性, (3) パラメータの確率変動 といった, 従来別個のモデルで対応してきた各手法と比較することにより明らかにした. シミュレーションデータに加えて, 都市間の実行動データなども適用対象とした分析結果より, 実用性を踏まえた Mixed Logit モデルの利用可能性を示すことができた. また, Mixed Logit モデルを主軸とした既存方法論の簡単な整理を行うこともできた.