抄録
ダブルコアチューブにより採取された比較的乱れの小さい自然状態の火山角礫岩を用いて圧密非排水試験を実施し, 力学的性質への礫含有率, 供試体寸法および最大礫径の影響を検討した. その結果, 礫含有率約40%以下の礫同士の接触が少ない状態において次のような結論を得た. 20%以上の礫の混入により内部摩擦角が若干大きくなる傾向にあるが, 礫混入の影響は比較的小さい. 弾性係数は礫含有率によって大きく変化せず, Reuss の理論式に沿った傾向を示す. 供試体寸法の影響は直径30cmまでの供試体では顕著に現われないが, 大きな供試体では内部摩擦角が若干低下する傾向にある. また供試体直径と最大礫径の比が1~3程度であっても力学的特性に大きな影響を与えない.