抄録
近年, 我が国において, TBMによる施工事例が急速に増加している. TBMによる高速施工を実現するためには, 我が国のトンネル掘削において宿命的に遭遇する不良地山でのTBM稼働率を確保することが重要である. 本研究では, 不良地山においても稼働率を低下させることなく進行を確保することを目的に, 仮設支保の考え方に基づくTBM用ロックライナーを開発し実工事に適用した. 本報告はTBMロックライナー工法の概要とこの工法を適用した掘削径5.0mのTBM工事の施工結果と問題点について述べる. 適用の結果, 崩壊性地山においてもTBMを長時間停止することなく安定した進行を得るための有用な知見を得た.