抄録
シールドトンネルに近接して工事が行われる場合のトンネル覆工の安全性の検討は, 一次覆工 (セグメント) を対象に行われているが, トンネルとの離れが極めて小さい近接施工, またトンネルが大断面の場合には, セグメントの強度が不足し, 二次覆工をも構造部材として検討する手法が必要となる. 本論文は, 営団地下鉄のシールドトンネルを対象に, 二次覆工を構造部材と考える最近の研究を参考とした検討手法を提案し, この提案による検討事例を示したものである. 検討事例においては, 二次覆工を構造部材とした場合の横断方向および縦断方向の検討を行った. 結果としてトンネルの安全が確保されたうえで, 補強工法の少ない経済的施工が可能となった.