2001 年 2001 巻 689 号 p. 301-320
構造解析の知識が深まるにつれ, 複雑な構造物の挙動を解析するためのシステムが数多く開発されている. しかしソフトウェアが大規模化するにつれ, システムが複雑化し, 保守・管理や新たな手法の追加が困難となってきているのが事実である. 本研究では, これら問題を克服するため, オブジェクト指向技術を用いて構造解析システムの分析を行い, 構造物・荷重・応答解析の3つのサブシステムに分離したモデルを提案する. これらは単独での拡張や使用が可能であるとともに, 互いにメッセージ通信を行うことで, 構造解析を行うことができるシステムである. 各サブシステム内では, 複数のアルゴリズムの適用が可能となるようオブジェクトモデルを構築している. これらの分析・実装を通じて, 次世代の構造解析システムが備えるべき雛形を提案するものである.