抄録
自転車で通学する高校生の経路選択を記述したモデルを用いて, 地域のどこに「車道に自転車専用レーンの標示」と「車道と自転車の走行路の物理的な分離」という2つのタイプの道路を, どれだけの幅で設置すれば自転車利用者にとって有用かを考察した. その結果, 1) 最短経路に比べてより平坦な競合経路が存在すれば, 自転車走行路の拡幅によって, 登り坂を嫌う自転車利用者を中心に経路変更が起きる, 2) 車道の交通量が30台/5minより少ないと車道にレーン標示した方が, 一方, それより大きいと車道と自転車の走行路を物理的に分離した方が, 利用者にとって有用なことが認められた.