2002 年 2002 巻 698 号 p. 81-91
ガマ, ヒメガマの各器官間のエネルギー輸送を考慮した生長モデルを作成した. モデルは, 群落中心部における地上部バイオマス, 地下部バイオマスの季節変化や, 湛水深に対する生長特性, 各器官の構成比, 地上部バイオマスと地下部バイオマスの比, により検証された. 老化期におけるバイオマスの変化を現地観測した結果, 穂付きの株と穂無しの株では, 器官の構成比の変化が大きく異なり, 栄養繁殖器官である地下茎の変化が全く対照的であることがわかった. 河川空間におけるガマ, ヒメガマ群落の拡大形態は, 植生地点の横断面形状や外力などの生育環境により大きく変化することが判明した.