抄録
フライアッシュコンクリートの塩分浸透性を迅速に評価するため, 15Vの直流定電圧を連続印加して電気的に塩化物イオンを移動させる電気泳動法の適用を試みた. その結果, 水中養生期間が91日では, フライアッシュの置換率が大きく水結合材比が小さい場合に塩分浸透抵抗性が大きくなることを示した. また, フライアッシュを細骨材の一部代替使用したコンクリートを3年間自然暴露した結果ともよく整合し, 電気泳動法より得られる拡散係数 (電気泳動) の評価指標としての妥当性を示した. そして, 拡散係数 (電気泳動) は, 塩水浸漬試験から求めた見掛けの拡散係数よりも大きくなること, この主な理由は, 固定化の影響による可能性が大きいことを明かにした. さらに, 評価指標としてのクーロンや比抵抗の妥当性およびこれらと拡散係数 (電気泳動) との比較を考察した.