抄録
富栄養化した海域に存在する干潟上の水質の動態を把握するため, 博多湾の和白干潟において夏季および冬季の現地観測を行い, 水質変動特性とその要因について検討した. 水質の時間変動および物質収支の計算結果から, DOおよび栄養塩の収支は日中と夜間において大きく異なることが明らかとなった. 夏季日中の干潟上では一次生産が卓越し, DOの放出と無機溶存態栄養塩の取り込みが行われ, 夜間は逆にDOの消費と栄養塩の放出が行われていることが明らかになった. 一方, 冬季は夏季ほど明瞭な日中, 夜間の違いは無く, 各物質収支の絶対値も小さいことが明らかになった. また, 干潟における夏季夜間の栄養塩収支は, 沖合からの貧酸素水塊の移流の影響を受けている可能性が示唆された.