抄録
横桁フランジが交差する主桁ウェブ溶接部の疲労強度は, 面外ガセット試験体の1軸疲労試験によって求められている. しかし, この部分は主桁ウェブ応力に加えて横桁フランジ応力も作用する2軸応力状態となることが多い. 本研究では, 横桁フランジが交差する主桁ウェブ溶接部の疲労強度に対する2軸荷重の影響を明らかにする目的で, 純粋な2軸応力状態を実現する疲労試験システムを構築し, モデル試験体の疲労試験を行った. その際, 主桁の応力範囲は100N/mm2とし, 横桁の応力範囲を0~150N/mm2とした. 2軸応力状態で疲労寿命は大幅に減少した. これは横桁に作用する応力によって主桁ウェブの応力が増加することと, 応力の2軸性に原因がある. このことを応力測定試験と有限要素応力解析から確かめた.