抄録
これまで耐候性鋼のさび安定化に関わる評価技術群が必ずしも体系的ではなかったことに鑑み, 長期耐久化の観点から耐候性鋼材の腐食挙動とさびの状態や種類との関係を工学的に整理し, それぞれが提案してきたさび安定化評価技術の位置づけと活用方法を再検討した. さび外観, さび厚, イオン透過抵抗, フェロキシル斑点, 電気化学的電位, さびの定量X線回折結果をセンサーとして, 耐候性鋼の腐食状態を把握する考え方と方法, さらには評価基準について見直しをおこなった. 得られた知見を提言として報告する.