抄録
凝集剤添加活性汚泥法は安定したリン除去法として広範に用いられている方法である. しかし, 本法においての凝集剤添加量は経験的に決定されており, 理論的な添加量の決定方法は報告されていない. 本論文では室内実験により活性汚泥中におけるリン除去用凝集剤の減少と蓄積, またそれに伴うリン除去特性を検討する. さらにその結果をもとに汚泥中の凝集剤およびリンを分別してとらえ, リン除去性能を有する凝集剤とリンの凝集反応を表すリン除去モデルを提案した. それによって, 汚泥中における凝集剤およびリンの挙動を推定することが可能になり, リン除去モデルを用いることで凝集剤の最適添加量の決定に応用することができる.