2004 年 2004 巻 755 号 p. 37-44
本論文では, 複数の開発案の中から自然環境保全と着目する種の保存にとって最も有益な開発手法を選択することを支援する枠組みを提案する. そのために, コンピュータ・シミュレーションでダイナミクスを仮想的に再現することで環境影響の評価と予測を行い, 持続可能な開発を選択することを考える. そこで, 人工生命技術であるセルオートマトンと発見的自己組織化から構成されるハイブリッドシステムを利用した環境影響予測・評価システムの開発を行った. シミュレーションの結果, 提案システムはモデルの構造が既知である場合にはその係数を精度よく近似し, モデルの構造が未知である場合であっても近い将来のダイナミクスが予測可能であることが示された.