抄録
構造物の内部に剥離による空隙が存在する場合, 日中において剥離部の表面温度は健全部に比べて高温になる. この構造物表面の温度分布を熱画像でとらえることで剥離箇所の抽出が可能となる.
一方で, 熱画像による診断は温度を指標とするため, 日照, 気温などの環境条件に大きく影響される. また, 1日の間にも観測に不適切な時間帯があり, その時間帯も環境条件により異なる, したがって, どのような条件であれば熱画像による剥離の判別が可能であるのかを検証する目的で, 現地試験観測および熱収支モデルを用いた数値解析を行い, この熱画像による診断手法の適用可能条件を定量化するための研究をおこなった.