抄録
本研究においては, アスファルト混合物の粘弾性挙動をモデル化するために, レオロジーモデルの一種である一般化 Voigt モデルを適用した. モデルに必要なパラメータ値は, 動的載荷試験によって得られた動的弾性生係数および損失弾性係数の振動数特性を表すマスターカーブから, 逆解析によって推定した. Gauss-Newton 法を採用し, 必要な定式化を行った上で逆解析システムを開発した. モデルの要素数を変化させ, モデルの適用性を検討したところ, 広い振動数領域で有用な要素数は8要素であった. さらに, 温度-時間換算則を適用し, シフトしたマスターカーブから, 温度ごとのパラメータ値を同定した. その結果, 温度が高くなると, 弾性パラメータ値は変化しないが粘性パラメータ値は減少することが判明した.