土木学会論文集
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社会的相互作用存在下での交通行動とミクロ計量分析
福田 大輔上野 博義森地 茂
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2004 年 2004 巻 765 号 p. 49-64

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抄録

交通現象を含む多くの社会現象において, 社会的相互作用は, 個人の意思決定に有意な影響を及ぼしている. 近年, 社会心理学や社会学の問題意識を受けて, 非市場的な主体間相互作用の計量分析手法が進展しつつある. 社会的相互作用の影響を選択行動モデルの枠組みで分析できれば, 従来とは異なる行動予測や政策評価が可能になると期待される. 本研究では, 社会的相互作用が個人の行動に及ぼす影響の計測を行っている諸研究を概観し, 交通計画が分析対象とする諸現象への適用可能性の検討を行う. また, 違法駐輪問題を例として, 社会的相互作用存在下での離散選択行動を定式化し, 頻度依存行動によって生じた欠陥均衡の状態から脱却するために必要な政策介入の方法について, 実証的に考察する.

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