土木学会論文集C
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和文論文
筑後平野の有明海沿岸部の地盤沈下
鬼塚 克忠根上 武仁
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2006 年 62 巻 3 号 p. 643-656

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抄録
 筑後平野は九州最大の河川である筑後川左岸部に位置する.右岸部の佐賀平野の地盤沈下はよく知られているが,左岸部の筑後平野にも,時期を同じくするかそれ以前から佐賀平野の地盤沈下に劣らぬスケールの地盤沈下現象が生じていた.しかし,筑後平野の地盤沈下については,全国的に取り上げられることは少なかった.本研究では,筑後平野の地盤沈下現象に関する既往の報告書や文献調査,新たなデータの入手と整理,考察を行った.筑後平野の地盤沈下,地盤深層部の地下水位低下,有明海の海底陥没と海底石炭採掘の実態について述べ,筑後平野の有明海沿岸部地盤沈下はかっての海底石炭掘削に伴う地下水くみ上げによるものであり,最近の地盤隆起は閉山後の地下水位回復によるものとの結論に達した.
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© 2006 社団法人 土木学会
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