抄録
開発途上国農村部の未舗装道路は,雨季に部分的に車両通行不能となる.農民は収穫した換金作物を市場へ運搬できず,現金収入を得ることができない.本研究ではこのような農道の通年通行性確保のために,現地住民自身で持続的に整備することができる住民参加型の未舗装道路改修方法を開発した.この手法は「土のう」による道路改修方法で,現地調達可能材料を用い,人力施工が可能である.この手法の拡大が「貧困削減」への土木工学的アプローチ手法の一つであると考える.まず「土のう」袋材,中詰材として利用しうる材料を現存資材の中から選定し,その材料特性を把握し輪荷重作用下での耐力,変形性能の検討を行った.そして軟弱地盤上での車両通行性を確保するための「土のう」による道路改修断面や施工方法を,実物大走行実験を通して提案した.