2008 年 64 巻 4 号 p. 756-769
これまで杭基礎の鉛直地盤抵抗の設計値は,主に静的な鉛直載荷実験に基づいて評価されてきた.しかしながら,大地震時のように大きな載荷速度を有する動的な鉛直荷重が杭基礎に作用する場合,従来の静的な鉛直載荷実験に基づき評価された場合と異なる沈下・鉛直地盤抵抗特性を示すことが知られている.そこで本研究では,杭模型に対して静的・動的鉛直載荷実験の実施,および骨組み解析モデルに基づく数値解析的アプローチにより,動的鉛直荷重が杭に作用した際の沈下・鉛直地盤抵抗特性の解明を行った.その結果,杭の支持形態により減衰特性が異なること,除荷点を把握することで減衰定数を定量的に評価でき,簡易な骨組み解析モデルにより,模型載荷実験で得られた杭の動的な沈下・鉛直地盤抵抗を概ね評価できることが分かった.