土木学会論文集C
Online ISSN : 1880-604X
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和文論文
開発途上国農村部の小規模インフラ整備に向けた技術移転手法の開発
福林 良典木村 亮
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2009 年 65 巻 2 号 p. 550-563

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抄録
 開発途上国の多くは農業国である.それらの国々の農業収入向上のためには,農道やため池などの小規模なインフラの整備が欠かせない.農村部のインフラ整備には日常的に利用する住民自身が持続的に維持管理を行うことが重要である.この実現を目指し筆者らはこれまでに「土のう」による農道整備手法を開発したが,開発手法がより多くの現地の人々に定着し彼ら自身で運用することが課題であった.そのために本論文ではどのように技術移転を進めれば有効かを考察し,4カ国で4通りのアプローチを実践した.その結果,ある地域では現地住民の自発的な「土のう」を利用した道路整備や,橋の補修までもが行われた事例が確認された.農道整備を通して,技術開発から技術移転に至る開発途上国農村部の小規模インフラ整備に向けた一つのアプローチ手法を提案した.
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© 2009 社団法人 土木学会
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