抄録
基礎工事用大型車両系建設機械(以下,くい打機という)の転倒災害は,走行時に発生したケースが多く見られる.本研究では,くい打機の走行時不安定化メカニズムを明らかにするために,実大走行実験と遠心場走行実験を行った.実大走行実験では,走行路の水準測量と支持力調査を行い,自走時の揺れを計測した.遠心場走行実験では,地盤支持力分布の違いが揺れと履帯接地圧力に与える影響を実験的に調査した.その結果,走行時の機体には長周期的な揺れが確認された.また,遠心場走行実験では,履帯における接地圧は正規分布的に変動し,その変動係数は地盤支持力分布の影響を強く受けることがわかった.本報告では,実験結果をふまえたくい打機の安定設置に関する評価法について検討した.