抄録
ITSの車線逸脱警報サービスなどを実現し,さらに走行時の温室効果ガス排出量を削減するために,道路の詳細な線形情報が必要とされるようになってきている.しかし,我が国ではこうした線形情報の整備,提供が遅れている.その原因のひとつとして,情報の収集・更新に要するコストが高額なことをあげることができる.そこで本研究では,高速道路のCAD図面(二次元)と線形情報をもとにして,三次元線形,とくに車線形状の再現を試みた.再現した結果を数値標高データ等と比較して検証したところ,再現した三次元データの高さの較差の平均値は,一部の縦断曲線部を除きおおむね1メートル程度である.縦断曲線長データが存在すれば,全線にわたり同程度の精度で高さの推定が可能であることが判明した.